運航基準

令和6年9月1日 

株式会社K’sマリンサービス 

第1章 目 的 

(目的) 

第1条 この基準は、安全管理規程に基づき、平水及び沿海区域(各海岸から5海里以内の海域)を航行する船舶の運航に関する基準を明確にし、もって航海の安全を確保することを目的とする。 

第2章 運航の可否判断 

(発航の可否判断) 

第2条 船長は、発航前に運航の可否判断を行い、発航地港内の気象・海象が次に掲げる条件の一に達していると認めるときは、発航を中止しなければならない。 

気象・海象 港名 風速波高視程 
平水区域 15m/s以上 1.5m以上 500m以下 
沿海区域(5海里以内の海域) 15m/s以上 1.5m以上 500m以下 

2 船長は、発航前において、航行中に遭遇する気象・海象(視程を除く。)に関する情報を確認し、次に掲げる条件の一に達するおそれがあると認めるときは、発航を中止しなければならない。 

風速  15m/s以上波高  2m 以上

3 船長は、前2項の規定に基づき発航の中止を決定したときは、旅客の下船、保船措置その他の適切な措置をとらなければならない。 

(基準航行の可否判断等) 

第3条 船長は、基準航行を継続した場合、船体の動揺等により旅客の船内における歩行が著しく困難となるおそれがあり、又は搭載貨物、搭載車両の移動、転倒等の事故が発生するおそれがあると認めるときは、基準航行を中止し、減速、適宜の変針、基準経路の変更その他適切な措置をとらなければならない。 

2 前項に掲げる事態が発生するおそれのあるおおよその海上模様及び船体動揺は、次に掲げるとおりである。 

風速波浪動揺
15m/s以上(船首尾方向の風を除く)波高 2m以上又はうねり 階級 4以上横揺れ 20度以上

3 船長は、航行中、周囲の気象・海象(視程を除く。)に関する情報を確認し、次に掲げる条件の一に達するおそれがあると認めるときは、目的港への航行の継続を中止し、反転、避泊又は臨時寄港の措置をとらなければならない。ただし、基準準経路の変更により目的港への安全な航行の継続が可能と判断されるときは、この限りでない。 

風速  15m/s以上 波高  2m 以上

4 船長は、航行中、周囲の視程に関する情報を確認し、次に掲げる条件に達したと認めるときは、基準航行を中止し、当直体制の強化及びレーダの有効利用を図るとともにその時の状況に適した安全な速力とし、状況に応じて停止、航路外錨泊又は基準経路変更の措置をとらなければならない。 

視程  500m以下

(基準航行の可否判断) 

第3条 船長は、周囲の気象・海象(視程を含む)に関する情報を確認し、基準航行を継続した場合、船体の動揺等により安全な運航が困難となるおそれがあると認めるとき又は周囲の視程が500m以下となったときは、基準航行を中止し、減速、適宜の変針、反転等の適切な措置をとらなければならない。 

(入港の可否判断) 

第4条 船長は、入港予定港内の気象・海象に関する情報を確認し、次に掲げる条件の一に達していると認めるときは、入港を中止し、適宜の海域での錨泊、抜港、臨時寄港その他の適切な措置をとらなければならない。 

気象・海象 港名風速波高視程 
平水区域15m/s以上1.5m以上500m以下
沿海区域(5海里以内の海域)15m/s以上1.5m以上500m以下

(運航の可否判断等の記録) 

第4条の2 運航管理者及び船長は、運航の可否判断、運航中止の措置及び協議の内容を日報用紙に記録するものとする。運航中止基準に達した又は達するおそれがあった場合における運航継続の措置については、判断理由を記載すること。記録は適時まとめて記載してもよい。 

第3章 船舶の航行

(航海当直配置等)

第5条 船長は、運航管理者と協議して次の配置を定めておくものとする。変更する場合も同様とする。 

  •  (1) 出入港配置 
  •  (2) 通常航海当直配置 
  •  (3) 狭視界航海当直配置 
  •  (4) 荒天航海当直配置 
  •  (5) 狭水道航行配置 

(運航基準図等) 

第6条 運航基準図に記載すべき事項は次のとおりとする。 
 なお、運航管理者は、当該事項のうち必要と認める事項について運航基準図の分図、別表等を作成して運航の参考に資するものとする。 

  •  (1) 起点、終点及び寄港地の位置並びにこれら相互間の距離 
  •  (2) 航行経路(針路、変針点、基準経路の名称等) 
  •  (3) 標準運航時刻(起点、終点及び寄港地の発着時刻並びに主要地点通過時刻) 
  •  (4) 船長が甲板上の指揮をとるべき狭水道等の区間 
  •  (5) 通航船舶、漁船等により、通常、船舶がふくそうする海域 
  •  (6) 船長が(副)運航管理者と連絡をとるべき地点 
  •  (7) 航行経路付近に存在する浅瀬、岩礁等航行の障害となるものの位置 
  •  (8) その他航行の安全を確保するために必要な事項 

2 船長は、基準経路、避険線その他必要と認める事項を常用海図に記入して航海の参考に資するものとする。 

(基準経路) 

第7条 基準経路は、運航基準図に記載のとおり、常用基準経路とする。 

2 基準経路の使用基準は、次表のとおりとする。 

 名称 使用基準 
 常用(第1)基準経路周年

  

(速力基準等) 

第8条 速力基準は、次表のとおりとする。 

船名 第八にしき丸 
速力区分 速力 毎分機関回転数
最微速 2ノット 500rpm 
微速 5ノット 1100rpm 
半速 10ノット 1700rpm 
航海速力 20ノット 2400rpm 

2 船長は、速力基準表を船橋内及び機関室の操作する位置から見易い場所に掲示しなければならない。 

3 船長は、旋回性能、惰力等を記載した操縦性能表を船橋に備付けておかなければならない。 

(入港連絡等) 

第9条 船長は、入港5分前となったときは、運航管理者又は運航管理補助者に次の事項を連絡しなければならない。 

  •  (1) 入港予定時刻 
  •  (2) 運航管理者又は運航管理補助者の援助を必要とする事項 

2 前項の連絡を受けた運航管理者又は運航管理補助者は、船長に次の事項を連絡するものとする。 

  •  (1) 着岸岸壁の使用船舶の有無 
  •  (2) 着岸岸壁付近の停泊船舶の状況 
  •  (3) 岸壁付近の風向、風速、視程、波浪(風浪、うねりの方向、波高)及び潮流(流向、流速) 
  •  (4) その他操船上の参考となる事項 

(連絡方法) 

第10条 船長と運航管理者又は運航管理補助者との連絡は、次の方法による。 

(例) 

スクロールできます
区分連絡先連絡方法 
(1)通常の場合当該船舶が航行又は停泊している地点を  管理する営業所(本社) 船舶電話、携帯電話 
(2)緊急の場合 営業所(本社)緊急用無線電話、船舶電話 

(機器点検) 

第11条 船長は入港着岸(桟)前、桟橋手前(防波堤手前)300m等入港地の状況に応じ安全な海域において、機関の後進(CPPの場合は翼角作動)、舵等の点検を実施する。一日に何度も入出港を繰り返す場合も同様である。 

(記録) 

第12条 船長及び運航管理者は、基準航路の変更に関して協議を行った場合は、その内容を月報用紙に記録するものとする。