令和6年9月1日
株式会社K’sマリンサービス
第1章 目 的
(目的)
第1条 この基準は、安全管理規程に基づき、平水及び沿海区域(各海岸から5海里以内の海域)を航行する船舶の作業に関する基準を明確にし、もって輸送に関連する作業の安全を確保することを目的とする。
第2章 作業体制
(作業体制)
第2条 運航管理者又は運航管理補助者は、陸上作業員を指揮して陸上において、乗船待機中の旅客の整理、乗下船する旅客の誘導、船舶の離着岸の綱取り及び綱放し、タラップ等の旅客乗降用設備の付け離し操作等の作業を実施する。
2 船長は、船内作業員を指揮して、船舶上における乗下船する旅客の誘導、離着岸時における諸作業を実施する。
第3章 危険物等の取扱い
(危険物等の取扱い)
第3条 危険物の取扱いは、運航管理者の指示に従い、危険物船舶運送及び貯蔵規則等関係法令の定めるところにより行うものとする。
2 刀剣、銃器、兵器その他旅客の安全を害するおそれのある物品の取扱いについては、運航管理者の指示に従い、運送を拒絶するか又は一定の条件をつけて運送を引き受けるものとする。ただし、原則として船室に持ち込むことは拒絶しなければならない。
3 陸上作業指揮者(委託又は船内作業指揮者は、旅客の手荷物及び小荷物、車両の積載貨物その他の物品が前2項の危険物等に該当するおそれがあると認めるときは、運航管理者又は船長の指示を受けて運送申込人の立会いのもとに点検し必要な措置を講ずるものとする。
4 船長及び陸上作業指揮者は前3項の措置を講じたときは、その状況を運航管理者に報告するものとする。
第4章 乗下船作業
(乗船待ちの旅客の整理)
第4条 旅客の乗船は、原則として離岸5分前とする。
2 離岸5分前になったとき、船内作業員は舷門を開放し、陸上作業員に旅客の乗船を開始するよう合図する。
3 陸上作業員は旅客を乗船口に誘導する。
4 陸上作業員及び船内作業員は、乗船旅客数を把握し、旅客定員を超えていないことを確認して、それぞれ運航管理補助者及び船長に乗船旅客数を報告する。
(離岸作業)
第5条 運航管理者又は運航管理補助者は、離岸作業完了後、適切な時期に出港を放送させる(発航の合図をさせる。)とともに見送人等が離岸作業により危害を受けないよう退避させ、岸壁上の状況が離岸に支障ないことを確認して、その旨を船内作業指揮者に連絡し、綱取係員を所定の位置に配置する。
2 運航管理者又は運航管理補助者は、船長の指示により綱取係員を指揮して迅速、確実に係留索を放す。
(着岸作業)
第6条 運航管理者又は運航管理補助者は、船舶の着岸時刻5分前までに綱取りその他の作業に必要な作業員を配置する。
2 運航管理者又は運航管理補助者は、綱取係員を指揮して迅速、確実に綱取作業を実施する。この場合、陸上作業指揮者は、作業員が係留索の急緊張等により危害を受けることのないよう十分注意する。
3 船内作業員は、船長の指示により迅速、確実に係留作業を実施する。
4 乗組員又は船内作業員は、船内放送等により着岸時の衝撃による旅客の転倒事故を防止するため、旅客へ着席や手すりへの掴まりを指示する。
(係留中の保安)
第7条 船長及び運航管理者又は運航管理補助者は、係留中、旅客の安全に支障のないよう係留方法の保安に十分留意する。
(下船準備作業)
第8条 船長は、船体が完全に着岸したことを確認した後、船内作業指揮者に下船のために必要な作業の開始を指示する。
2 船内作業員は、陸上作業員と協力してタラップ等の乗降用設備を架設し、架設完了を確認した後、旅客を誘導して下船させ、下船完了後、舷門を閉鎖し、船長に報告する。
第5章 旅客の遵守事項等の周知
(乗船待ち旅客に対する遵守事項等の周知)
第9条 運航管理者は、発着場等の見やすい場所に旅客の遵守すべき事項等を掲示しなければならない。
(遵守事項等の掲示例)
- (1) 旅客は、乗下船時、係員の誘導に従うこと。
- (2) 船内においては、船長その他の乗組員の指示に従うこと。
- (3) 船内においては、他人に危害を加えるような行為又は迷惑をかける行為をしないこと。
- (4) その他旅客の安全に関して旅客に周知すべき事項
(乗船旅客に対する遵守事項等の周知)
第10条 船長は、船内の旅客が見やすい場所に次の事項を掲示しなければならない。
- (1) 旅客の禁止事項
- (2) 救命胴衣の格納場所及び着用方法
- (3) 非常の際の避難要領(非常信号、避難経路等)
- (4) 病気、盗難等が発生した場合の乗組員への通報
- (5) 高速航行中におけるシートベルトの着用
- (6) その他旅客の遵守すべき事項
第11条 船長は、救命胴衣の着用に関し、旅客に対し以下の措置を講じなければならない。
- (1) 暴露甲板に乗船している旅客には、救命胴衣を着用させるよう努めること。
- (2) 気象、海象の悪化等、利用者の安全確保のために必要と判断される場合は、救命胴衣を着用させること。